東山魁夷展
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2008年7月12日(土)〜8月31日(日) 長野県信濃美術館 東山魁夷館
7章構成で迫る東山芸術の展開
第6章 モノクロームと墨
「墨」の世界への憧れと精神的な深まり
日本画家であれば、誰しも「墨」の世界に憧れます。東山にとってその世界の扉を開くきっかけとなったのは唐招提寺御影堂の障壁画制作でした。第一期制作で描いた《濤声》は、日本の風景を題材にして大和絵の世界を基盤に制作し、第二期の《揚州薫風》は中国の風景を題材にして墨を用いました。それまでの表現と異なり、色を抑制してゆくその表現は、唐招提寺を取り巻く宗教的雰囲気のなかで、ますます精神的な深まりをみせてゆく過程とも受け取られます。この章では1973(昭和48)年の日展出品作《夕静寂》から唐招提寺障壁画までの作品によって「墨」の世界に至る過程を追います。
濤声(部分)
濤声(部分)
濤声(部分)
1975(昭和50)年
178.4×1311.9cm
唐招提寺蔵
鑑真和上を祀る唐招提寺御影堂、宸殿の間の襖絵です。東山が第一期障壁画として選んだ山と海の風景は、高僧が目にすることのできなかった日本の自然の象徴であり、和上の精神性を讃えることを意図していました。訪れた者が最初に目にする海の景色は、20メートルに及びます。進路に添って右から左へと打ち寄せる波。襖を開けて、海へ分け入ると、遠く中国の揚州や桂林の水辺へと続く壮大な空間が仕組まれています。
唐招提寺の障壁画
東山は唐招提寺御影堂の障壁画を制作するにあたり、取材旅行、下図の作成、試作といくつものステップを踏んでいます。第一期目に行った日本各地の山と海のスケッチ、第二期目の中国風景スケッチならびに《山雲》《黄山暁雲》《桂林月宵》《瑞光》の試作により、障壁画の制作過程をご覧いただきます。
濤声(部分)
濤声(部分) 1975(昭和50)年
唐招提寺蔵
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